ITベンチャーな皆様へ。オンライン型 結婚情報サービスに学ぶ、ネットサービスのはじめ方

2014年1月11日土曜日

出会い・パーティー・婚活 比較

t f B! P L
オンライン型 結婚情報サービスを比較一覧する記事を5年ぶりくらいに更新した(更新滞っていてスミマセン)。以下のページだ。もちろん、「くらべて.com」でのこと。

【参考資料】オンライン型の結婚情報サービス・結婚相談所(婚活サイト)http://www.kurabete.com/koibito/media/campany_web2.html )

このページを更新する過程で、たくさんのオンライン型 結婚情報サービス・結婚相談所の旧料金体系と現在料金体系を比較する機会があった。

新旧料金体系を比較したときに考えたことを記事にする。
ITベンチャーの方々がネットサービスをはじめる上で参考となればと思う。(もしかしたらネットサービスに限らずビジネス全般で言えることかもしれない)


 まずは女性を集めろ!オンライン型 結婚情報サービス

まず、老舗のオンライン型 結婚情報サービス・結婚相談所である「エキサイト恋愛結婚」の新旧料金を確認する。
「エキサイト恋愛結婚」は、2003年スタート。旧称「エキサイト 幸せ・恋愛結婚」。ポータルサイトのエキサイトが手がけるオンライン結婚情報サービスだ。



旧料金体系において男性と女性で料金が違うこと、女性が完全無料であることに注目して欲しい。また、サービス料金も全体的に値上がりしている。

「エキサイト恋愛結婚」2006年料金体系

 [男性]
 初月無料、翌月から月額1890円(税込)
 *入会金、成婚料などなし
 [女性]
 完全無料

 「エキサイト恋愛結婚」2014年料金体系
 [男性・女性]
 スタンダードコース
 入会金0円+月会費2,940円
 *機能制限のある「お手軽コース」もあり。


他のオンライン型 結婚情報サービス・結婚相談所の例も挙げる。
オンライン型 結婚情報サービス・結婚相談所「ルミエール」の新旧料金体系を以下に。「ルミエール」は、全国47都道府県で婚活パーティーを手がける「エクシオ」が手がけるサービス。エキサイト恋愛結婚と同じく実績があり、立ち上げ当時から全国的な集客基盤があったサービス。現在も中堅 オンライン型 結婚情報サービスとして活躍する。



やはり、旧料金体系は男性と女性で料金が違う。旧料金体系では、ここでも女性が完全無料。また、サービス料金も、新旧比較では値上げトレンドだ。(ただし、「ルミエール」の場合、月額料金は同じであるし、通常入会金相当以上のポイントをつけているので実質的には入会金分を上乗せしているものではない。)

 2007年「ルミエール」料金体系

 [男性]
 月額3,150円(税込)
 *入会金、成婚料などなし
 [女性]
 完全無料

 2014年「ルミエール」料金体系

 [男女共通]
 入会金10,500円[税込]
 月額3,150円[税込]
 *成婚料なし。システム使い放題
 *月額3,150円[税込]の他に年払いコース:年間30,000円[税込]もある


もう1つだけデータを提示する。
最近、話題にのぼることの多い「youbride [ユーブライド]」。以前は「出会いステーション」という出会い系サイトに近い存在だった。



ここでも、旧料金体系において男性と女性で料金が違う。旧料金体系で、女性は完全無料ではないが男性よりも安い。新旧比較で、全体的にサービス料金も全体的に値上がりしている。

 「出会いステーション」料金体系

 ・バリュープラン(31日間定額料金で利用できるプラン)
 男性は1,800円、女性は980円
 ・ライトプラン(月額費用なし)
 ウインクメッセージ送信1回につき525円(男性のみ)
 メール交換サービスは1人につき1,050円

 2014年「youbride [ユーブライド]」料金体系

 [男性・女性]
 ・スタンダードプラン
 入会金0円+月会費3,450円
 *3ヶ月プラン、6ヶ月プランもあり。
 ライトプラン
 入会金0円+月会費2,450円


 鉄板のサービス展開あり!オンライン型 結婚情報サービス

オンライン型 結婚情報サービスの新旧料金体系を比較して見てきた。
成長してきたサービスは、以下のような段階的にサービス展開をしてきたことが予想できる。

サービス提供初期段階

女性料金を無料または低額に。女性利用者(会員)を集める。

サービス提供成長段階

女性利用者(会員)が集まったら、男性会員の集客に力を入れる。男性から利益を上げるビジネスに。

サービス提供安定段階

男性・女性ともに一定数集まったら、男女から利益を上げるビジネスに。会員数増加によりサービス満足度は向上。サービス価格を上げる。

何かと何かをマッチングさせるサービスでは、マッチング対象のバランスも大切だ。バランスも考えると、オンライン型 結婚情報サービスの会員獲得イメージは、こんな感じ(↓)だ。

まず、女性50を集める。
次に、男性50を集めるのに全力をあげる。
女性50・男性50集まったらサイトで、会員数と男女バランスを公表。
その後は、男女バランスを考えながら販促(集客)をして、女性100・男性100を目指す。


 鉄板のサービス展開は、ネットサービスに共通?

新旧料金体系の変化を見ながら、オンライン型 結婚情報サービスにおける鉄板のサービス展開を考えてきた。

(賢い読者の皆様なら、もうここから、ボクが言おうとすることはお分かりのとおりだろうが)
この鉄板のサービス展開は、何もオンライン型 結婚情報サービスに限ったものではない気がする。ネットサービスの多くで当てはまるだろう。もっと言うと、ネットに限らず、多くのビジネスで当てはまるだろう。

もちろん「ビジネスでは、女性のお客様を先に集めなさい」と言っているのではない。
マッチングさせる対象どちらかに焦点を絞り(【A】)集める。ビジネスのコントロール下に置く。その後、全力でもう一方(【B】)を集めてマッチングさせる。【A】【B】いずれも一定数集まったら、バランスよく全体を成長させる。
これが鉄板のサービス展開だ


 初期段階からマッチングさせる双方を集めるビジネスは危険?

ネットショップは、たくさんの商品とそれを欲しがるお客様とのマッチングとも言える。通常は、まず、一定数の商品を集める。それから全力でお客様を集めて販売する。軌道に乗ってきたら商品数もお客様数も拡大させていく。(一般的ではないが、お客様が先にあり、商品を集める場合もある。)

街の不動産屋は、一般的には、まず不動産をたくさん集めている。集まったところで、お客様を集めて営業する。

逆に言うと、サービスの初期段階から、マッチングさせようとする両方を集めにかかるネットビジネス/リアルビジネスは、厳しい展開が予想される。
しかし、実際には、提供する商品やサービスも揃っていないのにネットショップを立ち上げたり、発注者も受注者もいない状態で B to B マッチングサイトを立ち上げたりするものだ。

自分への戒めにもしたい(笑)

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